背中で語るリーダー

今日からセリーグのCSが開幕する。
楽天監督の去就がマスコミを騒がせているが、3位進出を決めた東京ヤクルトスワローズにも大きなドラマがあった。
貯金を最大14としナインの誰もがCSへの出場を確信した後、あれよあれよと4位へと転落していった*1。不運・怪我・チーム内不和がこれを後押しし、神宮での宿敵読売との敗戦後、遂に寡黙なヤクルトファンがクラブハウスに詰め寄る。ここが一つの分岐点となった。
宮本内野手のブログには「いくらでも野次ってください」の言葉。固まって身動きがとれなかったチームがまとまり始めた。硬直していた采配から、積極的な選手起用が見られるようになった。
そんな中、阪神との3位争いの中、チャンスにゴロを打った宮本選手が突然ヘッドスライディングを試みた。結果は右親指骨折。だが、本人は一言も痛いと言わなかったようだ*2
そして翌々日から、指を固定しての出場。チーム内の内野レギュラー陣が次々と怪我で抜ける中、宮本選手はファースト以外すべてに臨機応変に対応した。ここが二つ目の分岐点となった。
翌日からのナインの野球は高校野球と化した。全力疾走・ヘッドスライディング・喜怒哀楽の爆発。その先頭に立ったのが、青木外野手だった。点数を挙げたあと守備につく際にファンの声援にこたえる青木選手には、WBC時の笑顔が戻っていた。CS決定前の最後の数試合のスタメンは半分近くが2軍メンバーで構成されていたが、両選手に引っ張られるように清々しいプレイをしていたのが印象的であった。
出場決定の瞬間の、青木選手の笑顔・宮本選手の何かから解放されたような安堵の表情が全てを物語っているように思えた*3。CS出場おめでとう。

*1:必然ともいえる

*2:http://number.bunshun.jp/npb/column/view/4204/

*3:この点は様々なブログで指摘されている