個体群生態学会会報 N.66 19-21(2009)

研究室に来た当初、「論文は読むな、勉強するなと学生に教えている」(中略)「【論文をよむ】時間もったいないから、研究してから論文書くときに読めばいいってこと」

深い。。
一般化VS個別対応という対立軸で考えると、前者は過去の研究を統合していく方向に進む一方、後者は現象に対する自由な発想や切り口こそが求められる気がする。僕は後者の方が、生物学のマクロ的現象を良く記述できると思っている。だから僕にとって上記のメッセージは、「自分自身で考えた方が、既存の方法に引っ張られずに新しい何かが生み出せる可能性が高い。すでにテクニカルに一般的に解かれているかもしれないが、むしろ一般的に扱え切れない泥臭い内容に価値がある」となる*1

*1:とポジティブにとらえることで、数学から逃げているだけかもしれない

輪読

ボスに改訂原稿を投げて落ち着いたところで、輪読会に参加。

Hu et al.2009 Paleoecology meets genetics:deciphering past vegetational dynamics, Front Ecol Environ 7(7):371-379

適当にメモ

  • 最終氷河期にブナのレフュージアがアルプスを越えて小個体群内で多様性を維持していたことが、古生態学的手法と遺伝学的手法により明らかになった
  • 個体群密度減少に伴う遺伝的多様性の減少速度はゆっくりになる(下に凸)
  • 気候変動に適応して移動しているのではなく、生存した小個体群内の多様性は予想外に高く、そこがソースとなって再度分散するのでは
  • CO2濃度上昇時に予想されるブナ分布域の個体群は、遺伝的多様度が低いため他種との競争に勝てないかも

これから学内一斉清掃。他の大学でもこの習慣はあるのか?(特に国外)

急なめまい

昨夜、ノリノリの状態で文章を書いていたら、突然デスクトップが揺らぎ始め、真っすぐ歩けなくなった。急いで家に帰ったが、症状は劇的に悪化した。関係ありそうなイベントも含めて時系列順に並べると:

  • たらふくソバを食べる
  • 1時間寝る
  • 起きてアイスを食べる
  • 1時間寝る
  • コーヒー投入
  • ノリノリで仕事がはかどる
  • めまい発生
  • 頭を動かすと(特に横回転)急激な吐き気
  • 睡眠入れてだいたい10時間で収束

寝起きに甘いものとコーヒーは投入しないと決意。

背中で語るリーダー

今日からセリーグのCSが開幕する。
楽天監督の去就がマスコミを騒がせているが、3位進出を決めた東京ヤクルトスワローズにも大きなドラマがあった。
貯金を最大14としナインの誰もがCSへの出場を確信した後、あれよあれよと4位へと転落していった*1。不運・怪我・チーム内不和がこれを後押しし、神宮での宿敵読売との敗戦後、遂に寡黙なヤクルトファンがクラブハウスに詰め寄る。ここが一つの分岐点となった。
宮本内野手のブログには「いくらでも野次ってください」の言葉。固まって身動きがとれなかったチームがまとまり始めた。硬直していた采配から、積極的な選手起用が見られるようになった。
そんな中、阪神との3位争いの中、チャンスにゴロを打った宮本選手が突然ヘッドスライディングを試みた。結果は右親指骨折。だが、本人は一言も痛いと言わなかったようだ*2
そして翌々日から、指を固定しての出場。チーム内の内野レギュラー陣が次々と怪我で抜ける中、宮本選手はファースト以外すべてに臨機応変に対応した。ここが二つ目の分岐点となった。
翌日からのナインの野球は高校野球と化した。全力疾走・ヘッドスライディング・喜怒哀楽の爆発。その先頭に立ったのが、青木外野手だった。点数を挙げたあと守備につく際にファンの声援にこたえる青木選手には、WBC時の笑顔が戻っていた。CS決定前の最後の数試合のスタメンは半分近くが2軍メンバーで構成されていたが、両選手に引っ張られるように清々しいプレイをしていたのが印象的であった。
出場決定の瞬間の、青木選手の笑顔・宮本選手の何かから解放されたような安堵の表情が全てを物語っているように思えた*3。CS出場おめでとう。

*1:必然ともいえる

*2:http://number.bunshun.jp/npb/column/view/4204/

*3:この点は様々なブログで指摘されている

マトリックス

急ぎ 急ぎでない
重要 急務 投資
重要でない 雑務 浪費

と区分けして、「投資領域を増やせ」というのはよくあるはなし。
ただ、「投資」内容を「急務」で使うための努力は「急務」だと思う。
なぜなら「投資」に保存則は適応されないから。
*1

*1:「投資」⇒input,「急務」⇒output と読み替えるとわかりやすい