今日の講演は迫力満点

Andrew McAdam (University of Guelph)
"Spruce masting and eco-evolutionary feedbacks in red squirrels"

テーマは「迅速な進化と豊凶」。マツの球果動態は5年に1回豊作がある程度。この豊作年ではr戦略をとるアカリスが有利に、それ以外の年ではk戦略をとるアカリスが有利になるという仮説をたて、豊凶のリズムの中で素早い淘汰と進化が起きることを実証的に示したもの。競争に関する指標をなわばり(?)から算出し、競争の強さと増加率の関係を見事にプロット*1。さらに豊作年にはアカリス適応度(産子数)の分散が大きいことから、進化速度が早いと推測する。
さらに凶作年に外部からピーナッツバターを5トンほど毎年供給し、5年間の個体数応答をみている。捕食者飽食仮説との関係が明瞭に示されたわけではなかったが*2、r-k戦略が繰り返し起きている可能性を実証的に示した、興味深い発表であった。これからopen beverage、覚えてもらわねば。

*1:増加率と球果数との正の相関・アカリス密度と増加率との負の相関はもちろんに出ている、しかもきれいな線形

*2:マツがアカリスを積極的に"低密度"に保っている、と解釈